INTERVIEW
電 気 で 終 わ ら な い 設 計

設計
宮原 優太
2016年入社、前職はリフォームの施工スタッフ。内装、外装、衛生用品、電気工事など、あらゆる領域をこなす多忙な日々を過ごしていた。「プライベートの時間を確保したい」という想いから転職を決意。電気関連の仕事に興味があり、経験を活かせると感じ名電エンジニアリングへ入社を決めた。
工場で稼働させる、10面以上の制御盤。

名電エンジニアリングの仕事は規模がさまざま。ブレーカーひとつの分電盤を設計することもあれば、いくつも連なる配電盤や制御盤をまるごと全て設計することも。私が担当してきた中で、比較的規模の大きかったのは後者に近いかもしれません。お客様は某大手メーカー。工場を新しく立ち上げるということで、そこで使われる制御盤の設計を担当させていただきました。製造機械はもちろん、空調まで制御するような代物です。全部で10~12面の制御盤で構成されていたと記憶しています。まずお客様からいただくのはおおまかな設計図、何を求めるのか記された要求事項、指定部材などが記録された書類。それを基にCADを使って、正しく製図していきます。単線結線図、展開接続図、端子図、部品図、配置図、ケーブル図など、種類は多岐に渡ります。案件規模にもよりますが、図面はおよそ数十ページ。多いと数百ページになるケースも。ただ全ての図面をゼロから作成するわけではありません。基本的には過去に類似事例があります。先輩に聞いて実績を探し、そのデータをカスタマイズすることが大半です。もちろん経験を積めばお客様の要望をお伺いし、ゼロから製図するケースもあります。私にとっては、もう少し先の話ですけれど(2017年時点)。
もれなく筐体の設計も。

一般的な設計職は機械と電気で分業されているケースが多いですが、当社は例外です。電気系統にまつわる設計を軸に、盤を収納する筐体の鈑金設計まで行います。配電盤も、分電盤も、制御盤も、筐体に入っているのが一般的であり、これも設計するためです。収納する機械と設置スペースに合わせて盤・筐体のサイズを決めて外形図や展開図を作成。熱を発する機械を有する場合は内部上方に熱が滞留するため、ファンを取り付ける必要があります。熱を外へ逃がすためです。外部からの電線を引き込む経路も考慮しなければいけません。また、筐体は基本的に扉つきです。蝶番(ちょうつがい)の位置、各種メーター、表示灯、タッチパネル、電源など、納入後に管理する方の操作性まで考慮をします。設計者としてこだわっているのは“図面から読み取れない場所”への配慮。設計図って部材毎の配置や全体の構造を分かるようにはしますが、配線経路までは記しません。「部材が密集し過ぎると配線できない可能性があるな」「この部材の位置は製造工程で配線しづらいからやめておこう」と、設計した後のことまで視野に入れます。これを個人としてはもちろんですが、設計G全体が意識をしています。後工程やお客様のことを考えると、言うまでもなく想いを馳せるべきだと思っています。